ビル・エヴァンスの様に演奏する5つの方法(前編)

2011年にアメリカのキーボードマガジンに掲載された記事の和訳です。

1.左手のルートレスヴォイシング

ビル・エヴァンスは独自の方法でジャズピアノのサウンドを塗り替えました。(文字通り彼の左手で!)
彼のルートレス四和音はガイドトーン(3度、7度コードトーン)に加えてコードトーン、カラートーン、テンション、オルタードから成ります。
これらのコンパクトなボイシングは本質的でスムーズなボイスリーディングを持っています。
Ex. 1aはキーCのII-V-I進行です。このポジションはAフォームと呼ばれることが多いです。
ルートの動きに慣れるために左手でルート、右手で和音を弾きます。

Laverne-1a

その後、左手だけで和音を弾く練習をします。
Fキーまで半音ずつ上げながら移調する練習をします。

Ex.1bは、Bフォームと呼ばれAフォームと同じ構成音ですが形が異なります。F#メジャーからBメジャーまで練習します。

Laverne-1b

Ex. 1cはマイナーのルートレスヴォイシングによる ii-V-i進行のA-フォームです。

Laverne-1c

オルタードヴォイシングはトライトーン(増4度)が元のドミナントヴォイシングと同じです。

Ex. 1dはマイナーのルートレスヴォイシングによる ii-V-i進行のB-フォームです。

Laverne-1d

 

 

 

2.右手のアプローチ

エヴァンスの叙情的な右手のラインの多くは、左手のヴォイシング位置の関係からキーボードの高音域に終止しました。
Ex. 2aはビルがよく使っていた方法を示しています。 彼はしばしば、左手の構成音を右手のラインに使いました。

Laverne-2a

ここにあるのは、Cマイナーのii-V-i進行上での彼の代表的なリックです。

Ex. 2bは彼の代表的であるスケールノートとクロマチックトライアドの使い方を示してます。

Laverne-2b
G7オルタード(#9b13)コード上のEbメジャーとDbメジャーに注目してください。
これらのトライアドはGオルタードスケール(またはAbメロディックマイナー)からできています。
Eメージャートライアドはクロマチックトライアドです。

Cm6コード上のトライアドコードは、Cメロディックマイナースケールからできています。

 

 

 

3.ハーモニーとリズムのアプローチ

エヴァンスはハーモニーとリズムの技術革新のマスターです。
Ex. 3aはII-V進行のバリエーションです。ドミナント7コードのクロマチックアプローチを加えることでエヴァンスは一般的なコード進行を拡大強化し、可能性を広げました。

Laverne-3a
彼の特徴的で繊細なアプローチの例でBbコード上で#5(b13)に向って5度の装飾音を使うというものがあります。
彼の左手の伴奏の多くは右手対してのカウンターメロディーを形成しながら進行しました。

 

<つづく>

FavoriteLoadingお気に入りに追加